ちよ子さん、こんばんは。以前『信念の心臓』通販再販についてリプライで質問したペニー(もとめろ)です。
さきほどようやくご本読み終わりまして、この興奮さめやらぬうちにおさらいを兼ねて感想をお伝えしたいと思いBBSを開きました。
感想会場ここであってますか??
不甲斐ないモブ読者でしかないのでこれまで同人作家さんに直接感想をお伝えした経験がなく、もしなにか的外れなことを言ってしまったらすみません。
ちなみに、ちよ子さんのこの作品がわたしが初めて購入した二次創作小説です。アラサーの処女を捧げてしまったことも重ねてお詫びいたします。モブであり初心です。
全体をとおして、降谷さんへの描写がとても美しくて(愛に溢れていて)うっとりしてしまいました。
たとえば「その薄暗い輝きは、しかし、言葉を続けようとする者を黙らせる力を秘めている」(p.94)とか。「やはり降谷はイノセントの人であった。あまりにも汚れがない」(p.89)とか。
わたしが特に好きな一文は、「その場で彼は、最も失った者のひとりだった。勝者でありながらそれと同等かあるいはそれ以上に敗者だった」(p.36)です。
それなーーーーです。
的確です。原作解釈としても、的確だと思いました。唸りました。好きです。
だから腐女子は降谷さんの幸福を願わずにはいられないのです。
ふたりの関係に関する描写でのお気に入りはこれです。「恐ろしいことに、きっと最初から、この男は降谷零を抱いていた」(p.170)
それなーーーーーーです。左手に本を持ち、右手で顔を覆って天を仰いでしまいました。
導入部でのあかーむセッと安室透の死があっての結びセッでこれです。参りましたほんとに。
三杉確保の方法もよかったです。
実はわたし、ブラインドのすき間からシュウが三杉を撃つ瞬間を予想して読んでいたんです。クリミ.ナルマ.インド的にはこれが既定路線だと思って(ドラマ大好きです)、シュウが降谷さんを助けるシーンを空想してすでに興奮して汗かいてました。
でも違いました。いい意味で、期待裏切られました。
ピアノソナタ月光の成実先生を経てから、“犯人を死なせない”というのがコ/ナンの根底に流れる強いテーマ(新一の信念)だと思っているんですけど、まちがいないちよ子先生はそれを表現しておられるのだ…!と雷にうたれたような衝撃でした。(これは過剰解釈かもしれません。降谷さんが、守られるだけの男ではない。誇り高き雄なのだということももちろんこのシーンの表現から感じました。)
p.144からのフェルナンド氏視点の攻防も絶妙でした。状況を人質と同じ視線で眺めることができて、疑問を感じずに制圧の様子を理解することができました。かーらーの、どきどきの安室三杉最終決戦への章移動。手に汗!
それから、繰り返し出てくる写真の効果が素晴らしかったです。
物語の最後の最後、降谷さんのスピーチ。これで物語が結ばれて、震えました。
その前のシーン、同じ春の風が二人の間を駆けた時、これで終わりかな。って思ったんです。
でも、時間が巻き戻って、降谷さんが話しだして、わたしはその声に耳を傾け気高い横顔を眺めているような気分で本を閉じることができました。
とにかく、読後感がとてもよかったのです!
そのせいで(いやお陰で)、読み終えたその足でここへやってきてしまいました。
気持ちよかったです!とお伝えしたくて。
ちよ子さん、すごいです。
物語の構成、伏線とその回収など、きっともう何万回も多方面から称賛されているだろうと思うのですが、すごかったです。すごい。
最後にもう一文、お気に入りを。「背後に延びる影は濃く、先に続く道は暗い。」(p.179)
ここを読んだ瞬間、あ!新刊楽しみ!!!ってなりました。
続刊が出ている段階で前作の感想なんて、遅くて恥ずかしいのですが、とにかく面白かったです。読めてよかった。ばたばたと、感情だけの感想になってしまってすみません。感想って、こんな感じでいいんでしょうか。ちよ子さんの思っているのと違ってしまっていたら、申し訳ないです。
続刊も、文庫盤を通販で入手して読ませていただきたいなと思っています。販売開始が楽しみです。
イベントにも行けたらどんなによいか。いえ、通販で作品を楽しませていただけるだけでもとても幸せです。
こんな気分にしてくださって、ありがとうございます。